前記事
の続きです。
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年末調整で保険料控除
前記事の例では、国民年金保険料32ヵ月分の490,400円が追納額となりました。
この金額はすべて年末調整で控除申告できます。
赤枠が保険料控除申告書の記入欄になります。
具体的な記入は以下の通り
では、実際にこの年末調整の申告でいくらの所得税の還付があるのでしょうか。
で計算した例を用います。
年末調整しなかった場合の所得税額は1年で236,500円-①でした。
年末調整した場合は以下の通りになります。
支払金額は6,200,000円 で変わりませんが
社会保険料等は720,000+490,400=1,210,400円
と国民年金の追納分増加しますね。
※支払金額が3,600,000円~6,600,000円の範囲内ですので
・給与所得控除=支払金額*0.2+540,000=1,780,000円 式(A)
・所得控除=社会保険料等+基礎控除(380,000円)
=1,210,400+380,000=1,590,400円
・課税所得=支払金額-給与所得控除-所得控除
=6,200,000-1,780,000-1,590,400=2,829,600円
※課税所得が1,950,000円~3,300,000円の範囲内ですので
・所得税額=課税所得額*0.1-97,500 式(B)
=2,829,600*0.1-97,500=185,460円 -②
所得税額は1年で185,460円です。
①-②=236,500-185,460=51,040円となり、
年末調整により所得税が51,040円還付されることが分かります。
また、来年度6月からの住民税額も控除額の約10%分安くなります。
(所得税と異なり、還付はされません。税額は自治体により異なります。)
この額は
490,400*0.1=49,040円になります。
所得税と住民税が合計100,080円安くなるということですね。
と、いうことは実質的な追納額は
490,400-100,800=390,320円
になります。
国民年金を追納することで、将来の年金額が年 51,953円増加することは前記事でご説明しました。
390,320÷51,953=7.51
ですから、年金支給開始から7.51年生きれば元をとれるという計算になります。
※この計算はすべて私の2016年の所得を前提に計算しています。
その人の所得に応じて所得税額・住民税額は異なります。
国民年金の追納の仕方
管轄の年金事務所で申し込みをしてください。
直接出向いてもいいですし、国民年金保険料追納申込書を郵送してもOKです。
私は郵送しました。
返信用封筒を同封するか悩みましたが、年金事務所としては追納してもらいたいはずだ、と考え同封しませんでした。
郵送後1~2週間で追納納付書が年金事務所より送られてきました。
銀行か郵便局で支払い手続きをして完了です。簡単でした。
このとき、納付書・領収証書は必ず保管しましょう。
年末調整時に添付する必要があります。
※年末に社会保険料(国民年金保険料)控除証明書が別途郵送されてきました。年末調整時にはこの証明書を添付すればよいので、納付書・領収証書は不要のようです。ただ、一応保管しておくことをお勧めします。
(2017.11.3追記)
年金は将来どうなる?
私も、追納するかどうかを考えた時、この点で悩みました。
追納によって年金が増えますと言ってもこれは全て現状の話であって、私が年金をもらう約35年後にはどうなっているかわからないからです。
結局私はお金に余裕があれば追納をし、余裕がなければ追納する必要はない、と考え、お金に余裕はあったので追納しました。
また、以下の2点も多少考慮しました。
・私は長生きする自信がある。
・年金の支給には税金も投入されているため、一定以上の支給水準は維持される(気がする)
※年金は現役世代の我々が納めている保険料を高齢者の年金に充当するという賦課方式です。
現在年金の支給には現役世代の保険料に加えて税金を投入しています。
その比率は当初基礎年金の1/3でしたが、2004年に1/2に引き上げられました。
皆さんはどうしますか。
自己責任でご判断ください。
以上、私大職員の年金事情(国民年金の追納)でした。