国民年金保険料はまとめて前払い(前納)するとお得

こんにちは。私大職員です。

今日は国民年金保険料の前納についてお話しします。

スポンサーリンク

Contents

国民年金前納割引制度とは

国民年金保険料を支払う際、

6か月分、1年分、2年分

をまとめて前払いすることで割引を受けられる制度です。口座振替時の割引額は以下の通りになります。※()内は2年分に換算した額

6か月分:1,120円(4,480円)
1年分:4,150円(8,300円)
2年分:15,642円

6か月分の前納をすると1,120円の割引がされるので、それを4回繰り返した場合(合計2年分)の合計割引額は4,480円となります。

一方、2年分の前納をした場合の割引額は15,642円ですがら、6か月分の前納を4回繰り返した時と比較して11,162円分お得です。

前納するならなるべく長い期間の分を一括で支払ったほうがお得だということですね。

詳しくは日本年金機構のホームページをご参照ください。
国民年金保険料の「2年前納」制度

口座振替以外にも平成29年4月より、現金・クレジットカード払いも対応しています。ただし、割引額は以下の通り、口座振替と比べると少し下がります。

6か月分:800円(3,200円)
1年分:3,510円(7,020円)
2年分:14,400円

できれば、口座振替を利用したいですね。

子供の保険料を支払ったとき

例えばH29年3月末で会社を辞めて、アルバイトとして生活するとします。

今までは厚生年金で給与天引きでしたが、今後は自分で支払わないといけません。

2年分を現金で前納するとしたら

H29年4月~H29年12月
H30年1月~H30年12月
H31年1月~H31年3月

の合計379,560円です。現金支払いですので割引額は14,400円です。

アルバイトですので保険料は父親が支払ったなんてこともあるでしょう。

私大職員の年金事情(国民年金の追納 補足)でご紹介した通り、家族分の国民年金保険料を支払った際でも

年末調整で全額が所得控除できます。

1 社会保険料控除の概要

納税者が自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます。これを社会保険料控除といいます。
控除できる金額は、その年に実際に支払った金額又は給与や公的年金から差し引かれた金額の全額です。

国税庁HPより引用

父親が年末調整で、この保険料前納分379,560円を所得控除すればいいのですが、この方法についても実は2通りのやり方があります。

2通りの年末調整方法

年末調整をするとき、

①納めた年に全額控除する方法と
②各年分の保険料に相当する額を各年において控除する方法

を選べます。

今回のケースで言えば

①H29年の年末調整で379,560円を全額所得控除する

②H29年の年末調整で142,335円
H30年の年末調整で189,780円
H31年の年末調整で47,445円を所得控除する

ことになりますが、どちらがお得なのでしょうか。

所得税の税率をチェック

全額を所得控除することで所得税率が変わってしまう人は②各年で控除したほうがお得です。

例えば課税所得が300万円の人は①の全額所得控除で問題ありませんね。控除後も所得税率は10%ですから。

一方、課税所得が例えば220万円の人は、各年で所得控除したほうがいいでしょう。

課税所得が195万円以下になる場合は、所得税率が5%になり、節税効果が薄れるためです。

それでは、実際に計算してみましょう。

控除しない場合

まずは国民年金保険料を控除しない場合です。

課税所得が220万円で195万円超~330万円以下ですので、所得税率は10%、控除額は97,500円です。

所得税額は

2,200,000*0.1-97,500=122,500円です。

①全額所得控除した場合

課税所得220万円から国民年金保険料全額の379,560円を控除しますので、最終的な課税所得は

2,200,000-379,560=1,820,440円です。

195万円以下の場合、税率は5%、控除は無しですから所得税額は

1,820,440*0.05=91,022円です。

31,478円が節税できています。

②各年で控除する場合

H29年分の142,335円を控除しますので、課税所得は

2,200,000-142,335=2,057,665円になります。
195万円超~330万円以下ですので、所得税率は10%、控除額は97,500円です。
所得税額は
2,057,665*0.1-97,500=108,267円

節税額は14,233円です。

仮に、H30年とH31年も同じ所得だった場合、

H30年分の所得税は
(2,200,000-189,780)*0.1-97,500=103,522円
となり、18,978円の節税となります。

H31年分の所得税は
(2,200,000-47,445)*0.1-97,500=117,756円
となり、4,744円の節税となります。

節税分の合計は

14,233+18,978+4,744=37,955円となり、一括で控除した場合と比べて6,477円だけ多く節税できています。

②は各年で控除したことにより、毎年課税所得を195万円超~330万円以下に抑えることができたため、単純に保険料の10%分が節税できています。

①は全額を控除したことにより、課税所得が195万円以下になってしまったことから、保険料の一部は10%分の節税、一部は5%分の節税となってしまったことで、節税効果が薄れているということです。

まとめ

・国民年金保険料はまとめて前払い(前納)するとお得

・子供の国民年金保険料を親が払った場合でも年末調整で所得控除できる

・前納した場合は年末調整の際、一括で控除するか各年毎で控除するか選択できる

・課税所得によっては各年毎に所得控除したほうが節税効果が大きい

色々とお得な制度はあるのですが、自分で調べないと、そもそもそんな制度があることすらわからない、というのは問題ですよね。

どうしたらいいんでしょう。