こんばんは、私大職員おにへいです。
太陽光発電投資を始めるにあたって個人事業主になりました。
その際、消費税還付を受けるためにあえて免税事業者から課税事業者になりました。
今回は消費税還付について掘り下げます。
Contents
消費税還付とは
太陽光発電投資の初年度のお金の流れは大きく分けると
(1)太陽光発電設備の購入(仕入れ)
(2)売電収入の受取(売り上げ)
に分類できます。
※消費税還付に係るその他費用も発生しますが、便宜上無視します
太陽光発電の売電収入は課税売上になりますので、電力会社は消費税込みで発電所のオーナーに金額を支払います。
(1)は消費税を支払い、(2)は消費税を預かっているわけです。
通常、確定申告時には『預かった消費税』から『支払った消費税』を差し引いた額を消費税納付として支払います。
単純な例で考えてみましょう。
100万円の仕入れを行い、200万円を売り上げたとします(いずれも税抜き)。
(1)仕入れ時に『支払った消費税』は8万円
(2)売り上げ時に『預かった消費税』は16万円
確定申告で支払う消費税は(2)-(1)=8万円となります。
以下、
『仕入れ時に支払った消費税』を『課税仕入控除税額』
『売り上げ時に預かった消費税』を『課税売上げに係る消費税額』
と表記します。
太陽光の場合、初年度の仕入れが非常に高額になるので、(2)-(1)がマイナスになるんです。
例えばこんな感じです。
太陽光発電設備を500万円で購入し、今年の売電額は75万円(いずれも税抜き)。
(1)課税仕入控除税額は40万円
(2)課税売上に係る消費税額は6万円
(2)-(1)=Δ34万円
この差益が還付されるよ!ということです。
個別対応方式と一括比例配分方式とは
確定申告で消費税計算をする際
(A)個別対応方式
(B)一括比例配分方式
2つの計算方法から任意に選択することができます。
どちらを選択すればいいんでしょうか。
※国税庁のHP:No.6401 仕入控除税額の計算方法 を参考にしています。
個別対応方式とは
個別対応方式で計算する際は、仕入れに係る消費税を以下の3つに分類します。
イ 課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
ロ 非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
ハ 課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係るもの
よくわかりませんね?
ここで重要なのは、太陽光発電の売電収入は課税売上となるため、太陽光発電の購入費用は『イ 課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの』に該当するということです。
ちなみに不動産を持っていて、家賃収入を得ている場合、家賃収入は非課税になりますので、その不動産の購入費用は『ロ 非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの』に該当します。家賃を払う時、消費税払っていないですよね。
前置きが長くなってしまいましたが、計算方法はコチラです。結構シンプルです。
課税仕入控除税額=イ+(ハ×課税売上割合)
となります。課税売上割合とまた新しい言葉が出てきましたが、これは課税売上と非課税売上の割合になります。課税売上割合=課税売上/(課税売上+非課税売上)で計算します。
一括比例配分方式とは
一括比例配分方式の場合、計算方法はコチラです。
課税仕入控除税額 = 課税仕入れ等に係る消費税額 × 課税売上割合
ちなみに、一括比例配分方式で計算した場合は、2年間はこの方式で計算し続ける必要があります。つまり、毎年毎年都合のいいように計算方式を変更するなよ、ということです。
実際に計算してみましょう
上の説明、わかりましたか?よくわかりませんよね。では実際に計算してみましょう。
計算条件は再び
太陽光発電設備を500万円で購入し、今年の売電額は75万円(いずれも税抜き)
を用いましょう。
個別対応方式で計算すると?
太陽光発電設備の購入費用は『イ 課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの』に該当します。
課税仕入控除税額=イ+(ハ×課税売上割合)ですが、
『ハ 課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係るもの』に該当する売上がありませんので、
課税仕入控除税額=イ=40万円
※500万円×8%=40万円
となります。
消費税還付額=40万円-6万円=34万円となります。
※75万円×8%=6万円
一括比例配分方式で計算すると?
まずは課税売上割合を計算しましょう。売電収入は課税売上になります。非課税売上はありませんね。
課税売上割合=課税売上/(課税売上+非課税売上)
=75万円/(75万円+0円)=1
課税売上割合は1、つまり100%です。当然ですよね、課税売上しかないんですから。
課税仕入控除税額 = 課税仕入れ等に係る消費税額 × 課税売上割合
=40万円×1
=40万円
個別対応方式と一緒になりましたね。
消費税還付額は同じく 40万円-6万円=34万円 となります。
そうなんです。どちらで計算しても結果が同じになるケースもあります。と、いうか太陽光発電投資しかしていない人は、原則どちらの計算方法を選んでも同じになるんです。
では、次に原則から外れる要注意なケースを確認していきましょう。