外貨建てMMFの税金について

私は2017年1月からSBI証券にて毎月20,000円を米ドル ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド(外貨建てMMF)に積み立てています。(それ以前にもスポットで売買はしています)

積立は米国ETF購入のための米ドル取得を目的としているのですが

・売買手数料が無料
・分配金利回りが2017年5月現在、年率換算0.7%前後

ということで、毎月一定額を積立し、米ドルの取得単価を均しながら、ETF購入までの資金待機場所としつつ、分配金までもらってしまおう

というケチな考えでいたわけです。

ただ、早くも外貨建てMMFの積立はやめようと思っています・・・

理由は外貨建てMMF売却時の税金について考えるのが面倒くさいからです。

そんなことで、今日は外貨建てMMFの税金についてお話します。

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外貨建てMMFの税金は

外貨建てMMFの税金は

(1)分配金の課税

(2)売却時の課税

の2つがあげられます。

(1)分配金の課税について

分配金に対する課税は月末の分配時に約20%源泉徴収されます。

分配金は源泉徴収されたのち、再投資されます。

以下は2017年3月末の再投資時の報告書です。

せっかくなので、この表を読み解いていきましょう。

まず、①証券残高口数が274,858口となっています。

100口が1ドルですので、2,748.58ドル分のMMFを保有していたことになります。

その残高に対して②分配金が1.5ドル出ていますね。

毎月分配型ですので、税引き前の年率換算利回りは

(1.5*12)÷2,748.58*100=0.65%になります。

分配金1.5ドルに③申告レート110.37円を乗じた金額

1.5*110.37=165円が④課税対象となりますね。

⑤所得税(円)は15%なので165*0.15=24円

⑥地方税(円)は5%なので165*0.05=8円 となります。

この金額を⑦為替レート112.37円でドルに戻しましょう。

⑧所得税(ドル)は24÷112.37=0.21ドル

⑨地方税(ドル)は8÷112.37=0.07ドル

所得税と地方税の合計 0.21+0.07=0.28ドルを1.5ドルから差し引いた1.22ドルが⑩再投資金額となります。表と一致していますね。

1.22ドルは1,220口ですので、再投資後の口数は274,858+1,220=276,078口になります。

(2)売却時の課税について

MMFの売却益については、2015年までは非課税でしたが、2016年からは株式等と同じように約20%の税金が課され、損益通算ができるようになりました。

売却益といってもMMFが価格が非常に安定しているので、売却益≒為替差益ということになるとおもいます。

こちらは2017年2月にMMFを1500ドル分売却した際の取引報告書です。

実際に売却したのは149,994口ですので、1499.94ドル分です。

あまりの6口=0.06ドルは分配金として支払われているので、受け渡し金額は1500ドルになっています。(なぜかは分かりませんが・・・)

ここで確認してほしいのは所得税と地方税が空欄になっている点です。

これは、MMF取得時と比較して円高になったことで、為替差損がでているためです。

MMFを売却してドルで受け取っているので、円建での損益など、どうでもいいのですが、この取引では円建てで損失がでているようです。

この取引報告書には取得時の為替が記載されていないので、円建での損失が読み取れませんが、損益通算による譲渡益税徴収・還付書によると

円建で2,821円の損失があり、575円が還付されてました。

一応、取得時の為替も確認しておきましょう。

1,500ドルを取得時為替で円換算した額から売却時為替で円換算した額を引いた金額が2,821円です。

売却時為替が112.96円ですので、取得時為替をX円とすると

1500X-1500*112.96=2,821

X=114.84円

になります。

以上、MMFの税金について確認してみました。

今回私がMMFを売却をしたのは、米国ETFを購入するためです。

(1)分配金の課税は気になりませんが、(2)売却時の課税は気になってしまいます。

円に戻したわけではないし、ドルベースでは利益は出ていないのに、円換算で損益を判断され、課税・還付があるのはちょっと釈然としません。

米国ETFも円換算で課税判断をされますが、ETFの場合、ドルベースで利益が出ていない場合、私は売却しないでしょうし、NISA口座を使っているのでそもそも課税されないのです。

今回はETFを購入しようと思ったタイミングがたまたま取得時に比べて円高になっていたことから還付されました。

円安のタイミングで売却していたら課税されてしまいます。円安に大きく振れていた場合、MMFの分配金以上に課税されてしまうことも考えられます。

ETFの価格と為替を同時に考えるのは、私にとって負担が大きいので、このやり方は向いていないような気がします。

これからどうするか考えますが、住信SBIネット銀行の外貨積み立てでいいかな、と思っています。