空家を賃貸に出す相談を受けて(その1)

私は不動産投資は行っていません。

そんな私に相談すること自体が間違っていると思うのですが、空家を賃貸に出すことについての相談を受けましたので、個人的な好奇心から色々と調べてみました。

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相談者の基本情報

・職業;会社員(本業の会社1か所のみ)
・所得;給与所得・退職所得以外の所得はなし(不動産所得は除く)
・貸出物件;相続した田舎の土地と建物(空き家)
・家賃;1年間で250,000円(一括払い)

聞くところによると、

現在誰も住んでいないし、遠隔地であることから、管理ができないため、誰かが借りてくれるのは非常にありがたい。正直お金はもらわなくてもいいと思っている。

とのことでした。

不動産所得の確定申告について

相談者は給与所得・退職所得以外の所得は不動産所得以外にないわけですから、不動産所得が年間200,000円以上かどうかが、確定申告の要否の分かれ目になりそうです。

不動産所得=総収入金額-必要経費

ですから、総収入金額と必要経費をはっきりさせる必要がありそうです。

国税庁によると

(1) 総収入金額

総収入金額には、貸付けによる賃貸料収入のほかに、次のようなものも含まれます。

イ 名義書換料、承諾料、更新料又は頭金などの名目で受領するもの
ロ 敷金や保証金などのうち、返還を要しないもの
ハ 共益費などの名目で受け取る電気代、水道代や掃除代など

(2) 必要経費

必要経費とすることができるものは、不動産収入を得るために直接必要な費用のうち家事上の経費と明確に区分できるものであり、主なものとして貸付資産に係る次に掲げるものがあります。

イ 固定資産税
ロ 損害保険料
ハ 減価償却費
ニ 修繕費

国税庁HPより引用

となります。

総収入金額については、年間家賃収入の250,000円以外にあてはまるものはありませんでした。

必要経費については

イ 固定資産税
ロ 損害保険料
ハ 減価償却費

が該当しそうです。特に修繕などのメンテはしてませんので、二 修繕費は該当しません。

それぞれの項目について

(1)総収入金額について

賃貸借契約を平成29年8月から1年間結び、1年分の家賃250,000円を一括で受け取る条件だそうです。

1か月分の家賃は20,833円ですね。(割り切れないぞ。。。)

ここで疑問が出てきました。

平成29年分の総収入金額は

8月~12月の計5か月分の家賃104,166円なのでしょうか。

それとも、受け取った総額の250,000円なのでしょうか。

国税庁によると

不動産等の賃貸料にかかる不動産所得の収入金額 の計上時期について

所得税法第26条第1項《不動産所得》に規定する不動産等の賃貸料の収入金額の計上時期に関する取扱いを下記のとおり定めたから、これによられたい。

(理由)
不動産等の賃貸料にかかる収入金額は、原則として契約上の支払日の属する年分の総収入金額に算入することとしているが、継続的な記帳に基づいて不動産所得の金額を計算しているなどの一定の要件に該当する場合には、その年の貸付期間に対応する賃貸料の額をその年分の総収入金額に算入することを認めることとしたものである。

国税庁HPより引用

とのことです。

ちょっと難解な文章ですね。

要するにこの例にあてはめると、

1年分の家賃250,000円は原則は契約上の支払日である平成29年8月分の総収入金額に算入すること。
ただし、一定の要件を満たせば、その年の貸付期間である8月~12月分の家賃5ヵ月分のみを総収入金額に算入することができる。

ということですね。

その一定の要件ですが、ざっくり言うと適切に記帳し、経理を行うこと、と記載されています。

ということで、ここは原則通り、1年分の家賃250,000円を総収入金額とすることにします。

(2)損害保険料について

損害保険については、そもそも空き家であることから住宅ではなく、一般物件として事業活動総合保険に加入しています。

ただし、貸出すことで住宅として、火災保険に入りなおす予定だそうです。
(保険料が大分安くなるはずです。)

賃貸に出してからの火災保険料は経費に計上できますね。

平成29年8月~平成30年8月の1年間が保険期間で、保険料は22,000円です。

こちらも(1)と同様に1年間分22,000円を経費として計上できるのか、5か月分9,167円のみを経費と計上すべきなのか悩みます。

損害保険料の支払いは仕訳上

借方 貸方
損害保険料 9,167 預金 22,000
前払金 12,833

となります。来年分の保険料は前払金という資産として計上します。

国税庁HPによりますと

1 前払費用

前払費用とは、法人が一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち、その事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいいます。
前払費用は、原則として、支出した時に資産に計上し、役務の提供を受けた時に損金の額に算入すべきものです。

国税庁HPより引用

役務の提供を受けていない平成30年1月以降分は損金算入できない=経費として計上できないということです。

ただし、

2 短期前払費用

法人が、前払費用の額で、その支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、1にかかわらず、その支払時点で損金の額に算入することが認められます。
ただし、借入金を預金、有価証券などに運用する場合のその借入金に係る支払利子のように、収益の計上と対応させる必要があるものについては、たとえ1年以内の短期前払費用であっても、支払時点で損金の額に算入することは認められませんので注意してください。

国税庁HPより引用

と記載があるように、保険期間が1年以内かつ、継続して支払額全額を損金算入する条件において、支払額全額を損金算入できるようです。

ということで、総収入金額と同じように、1年分22,000円を経費としましょう。

(1)総収入金額のときと比べて原則が真逆ですね。所得は多くなるように、経費は小さくなるような原則となっているようです。。。税務署らしいですね。。。

長くなってしまったので、今日はここまでとします。

次回は固定資産税と減価償却費について書いていきたいと思います。

空家を賃貸に出す相談を受けて(その2)